その日作業を終え自宅に戻り入浴中に電話が鳴る。構内にて緊急の作業依頼があったとの旨の電話だった。依頼者の名前に覚えがあった為、詳細を確認し数名の社員に連絡後自身も出社、仲間と現場へ向かう。洗浄・吸引作業の依頼であったが想像よりその範囲は広く、かなりの時間がかかる事を覚悟した。延々と作業を続け疲労を感じ始めた頃空が薄く明るさを帯び始める。開始から付き添っていた要求元のお客様から
『これで終わりにしましょう。急な呼び出しと長時間の作業
本当にお疲れ様でした。有難うございました。』
深々と頭を下げられ戸惑った。ただこの言葉を聞いた直後、何か全ての事象が報われたような気がした一言だった。
JFE事業部従業員